用語集
こちらでは、テクニカルイラスト・テクニカルライティングと、それらを用いたパーツカタログやマニュアル、取扱説明書、パンフレットの制作工程においてよく利用される用語について解説しています。当サイトでご紹介している情報をよりご理解いただくためにも、ご活用ください。
あ・か行
「あ」
- アイソメ図(アイソメトリック図)
- →等測投影法
- 網掛け
- 規則的に並んだ小さな点の大きさや粗密で、紙面上に濃淡の面を作ること。
- 1消点透視図
- 物体の基本の3軸のうち、2軸が投影面と平行な透視図。消点は、1つしかできない。
- 色校正
- 指定原稿で色指定したとおりに印刷されているかをチェックする作業。
- 奥付
- マニュアルの最後に、マニュアル名、社名、発行年月日、版数、マニュアル番号、印刷会社、著作権に関する項目などをまとめて示すページ。
「か」
- 外形線
- 物体の外形をあらわす線。太い線が使われる。
- かくれ線
- かくれて見えない部分の形をあらわす線。破線などが使われる。
- 仮想線
- 運動する部分が移動した仮想位置または状態などをあらわすために使われる二点鎖線、一点鎖線または実線の細線。
- カバリエ図
- 斜投影図の一種。奥行き方向は実寸で測る。
- カバリエ(投影)法
- カバリエ図を得るための斜投影法。投射線と投影面とのなす角度が45°。
- カラーチャート
- プロセスカラーチャートの略。プロセスインキで色をかけ合わせたときの発色具合を見るために使われる。
- カンプ
- Comprehensive Layoutの略。ページの模範的なレイアウト・デザインサンプル。
- キャビネット図
- 斜投影図の一種。奥行きの寸法は実寸の1/2で測る。
- キャビネット(投影)法
- キャビネット図を得るための斜投影法。投射線と投影面とのなす角度が63°26′。
- キャプション
- 写真やグラフ、図形などにつけられる説明文。
- 組立図
- 機械または装置の組み立てた状態を表現した図。
- グラデーション
- 写真やイラストに見られる、連続した色の濃さの変化(階調)。
- 系統図
- 燃料系統、オイル系統、油圧系統などの配管および流体の流れの状態などを象徴的に表現した解説図。
- 原点
- 基準になる点で、直角座標における0点。軸測投影における3軸の交点。
- 国際単位系(SI)
- 国際度量衡総会で採用され勧告された、一貫した単位系。次の7つの単位を基本単位としている。
長さ メートル(m) 熱力学温度 ケルビン(K) 質量 キログラム(kg) 物質量 モル(mol) 時間 秒(s) 光量 カンデラ(cd) 電流 アンペア(A) - 罫線
- 情報を分離したり、文字に添えて強調するための線。
- 構造図
- 機械または装置などの全体の構造を立体的に表現した解説図。
- 校正
- 制作の各工程で、指示どおりに作業が行われたか、求められる品質に達しているかどうかを確認する作業。
さ・た行
「さ」
- 索引
- 語句や事項などを、容易に探し出せるように一定の順序にならべ、その所在を示した表。
- 3消点透視図
- 基本の3軸のどの軸も投影面に平行でない透視図。消点は、3つできる。
- 軸測軸
- 軸測投影図における3主軸を軸測軸という。
- 軸測投影図
- 軸測投影法によって描いた立体図。3基準軸を測線とし、各軸特有の縮み尺で各軸線上に寸法を測って描く立体製図法。等測投影図、二等測投影図、不等測投影図の3種類がある。
- 軸測投影法
- 3主軸を投影面に対し、ある角度をもって投影させる投影法。
- 軸測面
- 2本の軸測軸によって構成される面。
- 斜投影図
- 斜投影法によって描かれた図。
- 斜投影法
- 物体の代表的な1面を投影面と平行に置き、投射線と投影面とのなす角を斜めにした投影法。カバリエ投影法、キャビネット投影法などがある。
- 消点
- 透視投影図法では、互いに平行な直線の投影面上における投影像は1点に集まる。この点を消点という。
- 製造物責任法
- 製造物の欠陥が原因で、人命、人身、財産に被害が発生した場合、製造業者などに損害賠償の責を負わせ、被害者の保護を図るという法律。
- 正投影図
- 物体の正面、側面、上下面および断面などを正投影法によって描きあらわした図。第一角法と第三角法があるが、機械製図では、原則として第三角法を使うよう規定している。
- 正投影法
- 平行投影法の一種で、複数の投影面に物体を垂直に投影し、正面図、平面図、側面図などを描きあらわす。
- 線画
- 調子表現をせず、線だけで表現した図。
- 全断面
- 品物の横(または縦)断面全体の形を表現した断面図。
- 相貫体
- 2つの物体が交差しあうことを相貫といい、その物体を相貫体という。交差して生じる交線を相貫線という。
「た」
- 縮み率
- 元の物体に対し、その投影像が縮んだ割合。
- 中心線
- 図に描かれた物体の中心をあらわす線。一点鎖線を使う。
- つめ
- 小口部分に付けた見出し。
- テクニカルイラスト(テクニカルイラストレーション)
- 設計図面や写真を元にして、製品の構造機能を正確に表現した立体図を主とし、系統図、配置図などの象徴図を含む解説図の総称。
- テクニカルコミュニケーション
- 製品の機能や使用方法あるいはサービスの内容などについて、必要な情報をわかりやすく、正確に伝える技術。
- テクニカルライティング
- テクニカルコミュニケーション技術の中で、文章表現を中心とした方法で、必要な情報をわかりやすく、正確に伝える技術。
- 投影図
- 物体を投影面に投影する際、投影面に結ぶ像を投影図または投影像という。
- 投影面
- 物体を投影する仮想の面。
- 透視図
- 透視投影法によって描かれる図。
- 透視投影法
- 遠近感のある形状になる投影法。見た目に近い形状に描くことができる。物体と視点との距離が有限、すなわち投射線が一点に集中する投影法。製品外観図や建物の完成予想図、室内を透視したイラストなどに使われる。消点の描き方の違いによって1消点透視図、2消点透視図、3消点透視図がある。
- 等測軸
- 1本の垂直線と、これと120°の等しい角度で1点に会する2本の直線からなり、等測投影法の作図の基本になる軸線。
- 等測図(等角図)
- 等測軸に標準尺を用いて描く立体図。
- 等測投影図(等角投影図)
- 等測投影法によって描かれる図。3基本軸(等測軸)は0.82の共通の縮み率を持つ。見た目のような遠近感はないが、立体の3面が等しく見える視点で描くイラストなので、各面の情報が均等に表現できる。
- 等測投影法(アイソメトリック投影法)
- 物体の3つの主軸を投影面に対して35°16′の角度で投影する方法。
- 等測面
- 2本の等測軸によって構成される面。
- 2消点透視図
- 基本の3軸のうち1軸だけが投影面に平行な透視図。消点は2つできる。
- トリミング
- 写真やイラストの不要な部分をカットしたり、ある部分をクローズアップして効果を高めたりする技法。
- トンボ
- 印刷物の見当を合わせるための目印。レジスターマークともいう。
な・は行
「な」
- 2消点透視図
- 基本の3軸のうち1軸だけが投影面に平行な透視図。消点は2つできる。
- ニ等測投影図(ニ等角投影法)
- ニ等測投影法によって描かれる図。3軸測軸のうち2軸は共通の縮み率を持つ。
- ニ等測投影法(ニ等角投影法)
- 物体の3つの主軸のうち2軸を投影面に対し等しい角度で投影する方法。
- ノンブル
- ページ番号。情報を検索するための目印。
「は」
- パース(パースペクティブ)
- →透視投影図
- パーツカタログ
- 製品の部品番号、索引番号、名称、個数などを一連の表にまとめ、部品の立体図と対照させた印刷物。
- 箱詰め法
- 作図対象物の形状が箱形である場合、基本となる箱から不要部分を除いたり、不足部分を加えたりして作図を進める方法。
- 柱
- 上余白または下余白に配置する章(または節、項)の見出し 。
- 版下
- 発注者の意図に従って文章表現やビジュアル表現の要素を流し込み、紙に出力したもの。製版のもとになるもの。
- 半断面図
- 立体図の断面の表し方で、物体の1/4を取り除いたもの。
- 版面(はんづら)
- 紙面から余白を除いた部分。
- 版面率
- ページ全体(判型)の面積に対する版面の面積比。版面率=版面の面積/ページ全体の面積×100
- 非軸測軸
- 軸測軸から外れているすべての軸。
- 非軸測面
- 軸測面から外れているすべての面。
- 非等測軸
- 等測軸から外れているすべての軸。
- 非等測面
- 等測面から外れているすべての面。
- フォント
- デジタル化されたさまざまな書体の文字データ。
- フッター
- 版面の下部に入る情報。
- 不等測投影図(不等角投影図)
- 不等測投影法によって描かれる図。3軸測軸は、それぞれ異なる縮み率を持つ。
- 不等測投影法(不等角投影法)
- 物体の3つ主軸を投影面に対してそれぞれ異なる角度で投影する方法。
- プロセスインキ
- カラー印刷でC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各版に用いるセットになっている印刷インキのこと。
- ヘッダー
- 版面の上部に入る情報。
- 本文
- 情報を伝えるための中心部分。操作説明、概念説明、特に注意が必要な事項、補足的な事項が含まれる。
ま・や・ら・わ行
「ま」
- 見出し
- 情報をブロック化し、そのブロックのテーマを表すもの。
- 見開き
- 本を開いた状態で、左右に並んだ2ページをまとめた名称。
- 面つけ
- トンボなどを基準にして、版下や、フィルムをページ順に合わせる作業。
- 目次
- マニュアル全体の構造を表し、目的のページを探すためのガイドの役割を果たす。
「や」
- 余白
- 紙面の上余白を「天」、下余白を「地」と呼ぶ。綴じてあるほうの余白を「のど」、のどの反対側の余白を「小口」と呼ぶ。
- 呼び出し線
- 立体分解図などで図中の部品または部分などを飛び出し、それに文字や記号を表示するための線。
「ら」
- リライト
- 文章の内容を読みやすく書き直したり、原稿が読みにくい場合、清書する意味を含めて書き直すこと。
- リード
- 見出しに続く本文の導入部分にあたる文章。
- 立体組立外観図
- 製品の外観イメージを正確に図示したイラスト。取扱説明書、カタログなどに使われる。
- 立体組立断面図
- 組み立てられた製品を切り開いて、内部の構造を図示したイラスト。メンテナンスマニュアル、カタログなどに使われる。
- 立体分解図
- 組み立てられた製品の部品を分解順序に従って展開図示したイラスト。主に部品供給のために使われるパーツカタログに使われる。
- レイアウト
- 紙面に、タイトル、見出し、本文、図などの要素を適切に配置すること。
- 連絡線
- 立体分解図において主体と分解部品間の従属関係および分解部品相互間の関連性を明らかにするため、各部品の中心を相互に結ぶ線。一点鎖線、点線および細い実線などが使われる。
英数字
- CAD
- Computer Aided Designの略。設計者がコンピューターの支援を得ながら設計を行うためのシステム。
- CI
- Corporate Identityの略。コーポレートカラーやシンボルを統一し、企業の新しい行動規範を作りあげること。
- DTP
- Desktop Publishingの略。コンピューターを使った電子編集・印刷システム。
- HTML
- Hyper Text Markup Language の略。SGMLの応用例のひとつであり、一般的な文書表現に適した汎用的な文書の型を持っている言語。インターネットのWebサイトの記述に一般的に使われているが、電子マニュアルにもよく使われる。
- Portable Document Formatの略。オペレーティングシステムや使用フォントの違いに影響されずに表示できるドキュメントフォーマット。Adobe Systems社により開発された。
- PL法
- →製造物責任法
- SI
- →国際単位系
[参考文献]
- テクニカルコミュニケーター協会編
「テクニカルコミュニケーション テクニカルライティング試験ガイドブック」 - 株式会社GE企画センター編
「別冊GE DESIGN LIBRARY デザイン・印刷・知識集」 - 永山嘉昭、三代川省吾共著
「実践テクニカルイラストレーション」